インスタネット用レザーケースの作り方

レザークラフト

こんにちは!
ハンドメイド工房虹雨の雨です。

ずいぶん久々の投稿になります。

今回はずいぶん昔からの知り合いで、最近GO-SLOW.fishingというネットショップをはじめたMさんからインスタネットのレザーシースを作って欲しいというオーダーがありました。

ランディングネットを作っている自分としてはインスタネットという物にあまり興味が待てず、今まで一度も手に取ったことがありませんでした。
GO-SLOW.fishingのMさんたってのお願いとあって、お応援する意味も込めて作ることにしたんです。

今回作ったインスタネット用レザーケースもGO-SLOW.fishingさんのショップにて販売中ですのでよろしくお願いします。GO-SLOW.fishingさんは、いずれ実店舗での販売を目標に頑張っていますので皆さんの応援もよろしくお願いしますね!

とりあえず構想もなかったので現物のランディングネットを仕入れるところから始まりました。
予想より相当高額(税込み¥16,400)だったのでちょっぴり驚きましたが、今後これを回収できるように頑張ります。
それでは本題に入ります。

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初めてのインスタネット

  • 初めて手にしたインスタネットはHANDY PAK INSTA-NETのウッドハンドル・レザーケース・ラバーネット付きでサイズはMでした。
  • 初めて手に取った時の忖度ない正直な気持ちを書いてしまうと問題になりそうなのでやめておきます。
  • スプリングを固定している部分がグリップを半分に割って挟んであり、グリップを固定しているのは2本のボルトナットでした。
  • 緩みどめの鬼目ワッシャーが入っていますが、ちょっと心細い印象をうけましたね…
  • また、若干のぐらつきがあるのと、使っているうちにこのグラつきが大きくなりそうだと思えたのは私だけでしょうか?
  • 怒られそうなのでこの辺にしておきますが…自分がもしもインスタネットを作るとしたらという視点で考えてみました。
  • まず、グリップは花梨などの銘木を使いたいなぁ…それとスプリングフレームの固定は挟むのではなく、グリップの外側に鬼目ナットを埋め込み、薄いステンレス板等で補強してからフレームを取付けるんじゃないかなぁ…と思いました。
  • 知らぬは仏・・・後から調べて分かったのですが、かねは商店さんで出しているインスタネットがまさしく、雨が考えていた理想をそのまま具現化していましたね…さすがです。
  • 本当はもっと頑丈に固定すべきと思いますが、ネットが千切れて交換する必要性を考慮すると必然的にこうなりますよね。
  • ただ、かねは商店さんのフレームの固定がどうなっているのは興味津々ではありますがぶっちゃけ知らないです。
  • まぁ、とりあえずインスタネットが手に入ったのでこれもとにレザーケースの構想を考えましょ!
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純正のレザーケース

  • 一応、付属?していたレザーケースも参考になるのかなと思いセットでの購入をしましたが、雨的には……ノーコメントで…
  • 折角のヌメ革を使っているのに…まず、このロゴも・・・ノーコメントで……
  • トラウトをイメージしたことは分かるけど大海原を泳ぐイルカに見えてしまうのは雨だけ?
  • そして、ベルトループが穴を開けただけでしかも幅が小さいのでウェーダーのバックルが通らない。
  • さらに肝心のインスタネットを入れるのにケース自体が小さすぎてメッチャ大変・・・ラバーネットやクレモナネットがすぐに千切れてしまうのはこれが原因ですね…
  • こりゃあアカン…でもこのレザーケース単体で¥9,900・・・まじで?
  • そこで私に白羽の矢が立ったってわけですよ…

レザーケースのデザイン

  • 雨にとってこれが最大の難関です。
  • ネットで調べてみると様々なレザーケースが作られていますが、パクったと思われるもの嫌だし、あくまでも職人を自負したいので自分の感性だけで作りたいってのが本心なんです。
  • ただこれが本当に一番大変な作業かもしれませんね…
  • まず最初に沸いたイメージが丸〇!しかも大きなベルトループがあって固定でき、ベルトループは四方八方からどの位置にも装着可能なものを考えました。
  • レザーケースの厚みというかマチをどうするか…コマ合せ縫いにするかウェットフォーミングで型取りするか…
  • デザインは手書きした物をjwcadで作図しました。
  • コマ合せ縫いでマチを作った方が確実だと思うのですが、へそ曲がりな雨の性格上、ウェットフォーミングに軍配を上げてしまったんです。
  • やっぱり、立体的に模型を作るとイメージが沸きます。
  • マチの奥行きが47㎜としたのですが正直なところこんな分厚いウェットフォーミングが可能なのかという不安の方が大きかったです。
  • 型枠を作るにも精度と強度を考慮する必要がありそうです。
  • 革は3mmのヌメ革を使います。

ウェットフォーミング用の型枠

  • 型枠は背板用に12mm厚の合板と革絞り用に18mm厚のパイン修正材と50mm厚のパイン材を使います。
  • 50mmのパイン材をバンドソーで丸くカットしインスタネットを入れる上辺を真っ直ぐカットしベルトサンダーで角を丸く落としてウェッフォーミングの型枠ができました。
  • これを12mm厚の合板にビス留めして土台の完成です。
  • これにウェットフォーミングするための材料を3mm厚のヌメ革を絞るためにパイン修正材をカットして完成です。

ウェットフォーミング…革絞り

  • 3mm厚のヌメ革をしばらく水につけて置いて絞ってみました。
  • 画像に写っている金具はパイン修正材の補強と均等に絞るための工夫です。
  • Fクランプで均等に絞って行きます。
  • 2日程自然乾燥させて型枠から外します。
  • 型枠から外すとカラッカラのスルメ状態になっているのでニートフットオイルをたっぷりと塗布しました。
  • 型枠を土台にして9mmのポンチで3箇所水抜き穴をあけます。
  • 革絞りできて良かったぁ…やってみるもんですね!

最後の縫製

  • バネホックと紛失防止用のD管を縫い付けておきます。
  • 背面にベルトループを取り付けていますが色々考えた末、菱形に取り付ければいろんなパターンで装着できるなと思ってこの形になりました。
  • 最後にジャンパーホックの頭をコンチョに変えました。
  • 最後にもう一度ニートフットオイルを塗布して2日ほど時間をおいてから、レザーバインダーとレザーコートでコーティングして完成です。

まとめ

  • インスタネットの取り出しと収納の動画がありますので参考ににしてくださいね!
  • 最近は、初挑戦でしかも結構難易度の高い依頼が多いので色々大変ではありますが今回もなんとか完成まで漕ぎ着けたのでオッケー👌ですね!
  • 今回の収穫は3mm厚のヌメ革でもウェットフォーミングが出来たことが収穫でした!
  • インスタネットのフレームとラバーネットをスムーズに収納するため間口の幅と高さを出すためにかなり苦労しましたねぇ…
  • 出来るだけ革を伸ばさずに絞ることができたので大成功だと自画自賛したいくらいです👏
  • 一応、純正のレザーケースと並べてみました。
  • 縦横はベルト部分を考慮しなければあまり変わりないと思います。
  • ただ、マチ部分をかなり広くしたので大きく見えますね!
  • これはしょうがないことだと思います。
  • ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

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