ランディングネットのリメイク

ランディングネット

こんにちは!
ハンドメイド工房虹雨(R&R)の雨です。

今回はランディングネットのリメイク編になります。

上記の画像は2017年に完成した時のランディングネットです。
相当なダメージを受けて舞い戻ってきたランディングネットをどこまで復活させることができるか挑戦してみたいと思います。

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リメイクの依頼…

  • 久しぶりに屈斜路湖で会った釣り友が持っていたランディングネットがコタコタになっていたのをみて愕然としました。
  • 2017年、全長約60cm、本流・湖用に私が作成したランディングネットです。
  • このランディングネットの末路がこれです。
  • 一見するとクレモナネットが色落ちしていい味出してるじゃんと思うかもしれませんが、そのダメージの深さは以下の画像で理解できます。
  • 自分の作ってきたランディングネットでここまでダメージを受けた物を見たことがなかったので少なからずショックは隠しきれませんでした。
  • 釣友はかなりの釣り馬鹿なので、相当過酷な釣行に使われたのは間違いないのですが、これだけヒドイと釣行後の管理方法にも問題があった可能性を感じます。
  • また強い衝撃与えた…とか…フレームが歪むくらいの重量物を持ち上げたとか…乗せた等の理由がありそうです。
  • 釣友からの聞き取りをすると常に車の中に置きっぱなしだった・・・らしいです。
  • 夏は直射日光とかなりの高温によるダメージ、冬は夏にも引けと取らない直射日光と北海道の特徴でもあるー20度を超える極寒の中でのダメージの蓄積
  • これがかなり大きく影響しているものと考えられますね…
  • 黒っぽい模様は、黒柿のように見えますが本来の色は赤に近いワインレッドなんです。
  • これは当時コーティングに使っていたウレタン塗料にも原因があるかもしれません。
  • 経年変化で黒くなるのはアフリカンパドックという材の特徴でもありますがここまで真っ黒になった物は見たことがないです。
  • 釣友は大切に使っていたはずなのですが、保管要領と手入れの大切さをレクチャーしていなかった私にも責任があるなと思ったのでリメイクを引き受けることとなりました。
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リメイク開始・・・コーティングの削り作業

  • ウレタン塗装を20回以上繰り返しているのでまずはコーティングされた被膜をすべて取り除きます。
  • 削り過ぎはダメですが、手作業だと何日かかるかわからないのでベルトサンダーとボール盤を駆使して粗削りしました。
  • ベルトサンダーで大まかなところを削り、ボール盤で全体の被膜がなくなるまで削ります。
  • 直射日光のせいで真っ黒になっていたアフリカンパドックが元々の色を取り戻してきました。
  • 元の色を取り戻したということは、当時使っていた塗料の問題ですなぁ😭
  • 全体を粗削りすると深刻なダメージが・・・
  • グリップ材が割れていてたので、もう少しで再生不能になるところでした…
  • 内張がなかったらとっくの昔に再生不能になってましたね!
  • やはり内張があるのと、ないのでは強度的にもかなりの違いがあるんですねぇ…
  • 作るのは大変だけど、改めて内張の大切さを認識することができました。

エポキシ樹脂での割れ補修

  • 割れた個所と剥離箇所へ60分硬化のエポキシ樹脂を注入し24時間以上乾燥させます。
  • すぐに作業に取り掛かりたいところですが完全に硬化するまでは待ちます。
  • 24時間以上乾燥後、ベルトサンダーとボール盤でエポキシ樹脂を削り落としました。
  • エポキシ樹脂を多めにすると削り作業が大変なので剥離部分や、折損個所付近だけにした方がいいと思います。
  • 今回はエポキシ樹脂を塗りすぎたので削り作業が大変でした。😭

木彫りオイルで防水加工

  • 次にコーティング前の仕上げ削りと木彫りオイルを塗布する作業に入ります。
  • 木彫りオイルは防水加工目的で作業工程に入れていますが、以前の作成時にも塗布しており、あまり浸透しないと思います。
  • やはり木彫りオイルが浸透せず、浮いた状態になっていますね・・・
  • でもこのまま一晩乾燥させてからウエストなどで乾拭き、必要であれば#400番くらいのサンドペーパーで軽く削っておくとサンディングシーラーの乗りが良くなります。
  • 木彫りオイルを塗ると削り作業で白っぽくなっていたフレームとグリップが一気に深みすを帯びてくるので気持ちいい瞬間になります。
  • リメイクできるか不安でしたが、ここまでくれば何とかなりそうです。

手書きロゴ

  • 最近作っているランディングネットはジャングルコックとキングフィッシャーのフェザーを使ったワンポイントを入れていますが依頼主の希望で手書きのロゴ入れのみになりました。
  • こちらとしては作業量が激減するので実はありがたいのです!
  • ホントにいいの?と何度も確認しましたがこれがいいんだそうです。
  • 手書きって簡単だけど誰でもできるわけじゃないし、自分でも絶対に同じものは書けないのである意味いいかもしれませんね…

サンディングシーラー作業

  • 木彫りオイルで防水加工が終わったらウレタンサンディングシーラーで下地を作ります。
  • 最後はウレタン塗料で仕上げますがグリップやフレームの凹みや接着箇所の凸凹をウレタン塗料だけで埋めるのは至難の技なのでサンディングシーラーで下地を作ってます。
  • サンディングシーラーは主剤、硬化剤、シンナーを1:1:1で一回塗布できる分(約6〜8ccくらい)を準備します。
  • サンディングシーラーは乾燥が早いので刷毛でサッと塗布します。
  • 少しくらいの液ダレは後で削るので気にせず塗ります。
  • 半日も時間をおけば乾いているのでサンドペーパー等で全体的に削り、凸凹や液ダレした部分を重点的削ってから重ね塗りします。
  • 10回ほど繰り返せば均一な面になると思いますが、削った後濡れたウエスやウエットティッシュで拭き取るとサンディングシーラーの足りなくて凹んだ部分が光って見えるので作業を繰り返します。
  • 深い傷やクラックなどはピンポイントでサンディングシーラーを入れるとある程度カバーできると思います。
  • わかりにくいですが下の画像が5回重ね塗りしたものです。
  • 半日以上乾燥させてから下記動画のよう粗目のサンドペーパーなどで凸凹をならします。
  • あと5回予定ですが今回はフェザーのワンポイントがないのであと1・2回重ねればOKだと思います。
  • あまり削り過ぎると木部を削ってしまうので加減が必要です。
  • ある程度均一な面になったら#800番くらいのサンドペーパーで磨いて下地の準備が完了です。

ウレタン鏡面仕上げ

  • ウレタン樹脂塗料はホームセンターなどで売っている物は手軽だし安いのでいいのですが、やはり2液性の塗料がおすすめです。
  • 私が使ってあるのAKASAKA WOOD WORKSさんの最高級ウレタン樹脂塗料(主剤、標準シンナー、標準用硬化剤)のセットです。
  • 最高級ウレタン樹脂塗料は1セット2,750円(税込)で高いように感じますが、綺麗で長持ちするランディングネットを作りたければこの塗料が間違いありません。
  • ちなみに下地に使っているサンディングシーラーもAKASAKA WOOD WORKSさんから仕入れたものです。
  • サンディングシーラーのセットは1,980円(税込)で、ウレタン塗料とサンディングシーラーも2021年12月現在の価格ですので気になる方はAKASAKA WOOD WORKSさんのHPをご確認下さいね!
  • あとはエアブラシでの吹付塗装を繰り返してみがくだけですね!
  • 詳しくはランディングネットの作り方…コーティング編を参照ください。
  • ここまで読んでいただきありがとうございました。
  • リメイクされたランディングネットの完成はまだまだ先になりそうなので完成したらアップしますね!
  • 完成までの動画をyoutubeにアップしてみました!虹雨ちゃんねる

まとめ

  • ランディングネット作りはかなり根気が必要な作業なので欲しいけど自分では作れないという方はハンドメイド工房虹雨のネットショップや屈斜路湖畔にあるフライショップチニタにも置いていただいていますので興味がある方はどうぞよろしくお願いいたします。
  • 今回のリメイク作業を請け負って感じたのは、ハンドメイドランディングネットに限らず物は必ず劣化して壊れるということを再認識させられました。
  • 自信を持って物作りに励んでいたつもりでも経年変化が経年劣化になっている現状をみて、もっと精進しないといけないなと強く思いました。
  • 今後の物作り対する姿勢をもう一度考え直すいい機会になりました。
  • これからも頑張りますのでよろしくお願いします。

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