こんにちは!
ハンドメイド工房虹雨(R&R)の雨(あめ)です。
前回に引き続きランディングネットのタモ交換のオーダーに応えていきたいと思います。
すぐに終わらせるつもりだったのに気になることがあるとどんどん横道にそれてしまい今回もそんな感じになりそうです。
リリースネットの染色
- 今回はカラーのオーダーが無く「明るい色でもいいよ!」みたいな・・・一番困る感じ・・・
- 雨がいいなと思ってもお客様から「なにこれ?」と言われる可能性はありますが、ここは前向きに捉えて久しぶりの紫色(パープル)に決定しました!
- 紫・・・⁇⁇?エッ?エッ?っと違和感をおぼえる方もいるかもしれませんが・・・意外とイケてるんですよ!
- もう手元にはないですが、以前自分用に作って使っていたランディングネットのカラーもこの紫(パープル)でした。
- 今風に言うとお魚が映(ば)えるんです?もうそんな言い方しないって?
- 染色の要領は至って簡単ですが、薄手のゴム手袋は必須ですよ!
- 鍋に入れた水を沸騰させ、みやこ染ポリエステルダイ(染料と濃色促進剤)を全部入れてダマにならないよう良くかき混ぜます。
- ちなみに以前は半分の量で染液を作っていました。
- 雨が使っている鍋は奥様に無理を言って頂戴したホーロー鍋で容量は3~4Lです。
- 説明書には9〜9.5Lの水を使うようになっていますが、普通の家庭にそんなデカい鍋はないよねぇ( ^ω^)・・・
- この鍋でもクレモナネットも洗濯ネットも4〜5枚はいけます。
- 今回は一枚のリリースネットを染色するには染料がもったいないので一緒に(120m×3本)のクレモナ糸を染色しました。
- 約30分弱火で沸騰させずに煮込んでいきます。
- 途中、何度かかき混ぜますがクレモナ糸が絡まないように優しく静かにかき混ぜます。
- 30分煮込んだら一晩自然冷却してから中性洗剤で洗い、色が出なくなるまで濯いで完成です。
- 使い終わったみやこ染の染液はエコ染料なので排水口に流しても問題ありませんが排水口自体を染めてしまう事があるので水を流しながら廃棄することをおススメします。
- 理想通りのパープルに染め上がりました。
- あとはお客さんが受け入れてくれるかが最大の心配事ですね・・・(笑)
余計なお世話か?
- ランディングネット全体についた使用に伴う大小の傷が無数にありますねぇ・・・
- 既存クレモナネットを外すとやはりフレームやグリップの傷が気になってしまいます。
- ネットリリーサーによるフレームの傷とグリップの凹み傷をどうしても放っておけなくて頼まれてもいない作業に突入してしまいました😂
- コーティングの被膜が厚そうなのでこのままコンパウンドで磨けばある程度綺麗になると思いますがやはりランディングネット職人としては・・・ムムム・・・となるわけですよ!
- 特に上の画像の傷はマグネットリリーサーのDカンをタイラップ(結束バンド)で直接取り付けていたため擦れてコーティングが削れていました。
- オーダーされていないから・・・という理由で放っておけないんですねぇ・・・
- ということで、全体的に表面を#800番の耐水ペーパーで荒し、深い傷を負った部分にサンディングシーラーを盛って乾燥後に全体に薄く刷毛塗りしました。
- サンディングシーラーは2回刷毛塗りして乾燥後、#1000番の耐水ペーパーで表面出しをしてます。
- ポツン、ポツンと小さい斑点や傷が見えるのは深い傷を負った個所ですがこの辺で許してもらおうと思います。
- この傷を消すにはコーティングを完全に削るか、サンディングシーラーも盛るかどちらにしてもかなりの作業量になるのでここは許してもらいます。
- あとはウレタンをエアブラシで吹きつけます。
- エアブラシによるウレタンの吹き付けは乾燥時間を置いて3回繰り返して乾燥させてから磨けば完成ですね!
- 輝きを取り戻しましたねぇ🤩
- これで喜んでいただけるのではないでしょうか?
- ただ、フレームの傷はそのままコーティングしたので削れた部分はハッキリと分かります。
- フレーム材の保護はできたので使用するには問題ないと思います。
ネットを止める糸は何を使う?
- 雨が作っているランディングネットはタモをとめるために普段はクレモナ糸を使っています。
- クレモナ糸は主に4号を使っていますが、フレームに開けた穴にクレモナ糸を通すことにいつも苦労が絶えません。
- 基本的には1.5mm径の穴を開けて糸を通していますが細い鋼線を二つ折りにして使って糸を通しています。
- 細い鋼線でもなかなか通りにくいのですが穴の径を2mmまで広げてしまうと今度は隙間が空いたりするので最近は1.5mmにしています。
- 今回請け負ったランディングネットは1mm径の穴で、しかも止める糸はナイロンラインを使っていました
- リリースネットを止める糸をクレモナ糸にするか・・・ナイロンラインのどちらにするか迷った末、穴を広げてさらにコーティング作業を追加するよりもやはり既存の取付要領を採用した方が良いという判断になりました。
- ただ、肝心のナイロンライン?がないのでいつもお世話になっている近所の釣具屋ブルーマリンさんでラインを探していただきました。
- 対応してくれたのはブルーマリンの若旦那・・・健太くん!
- 雨「こんなラインってある?」
- 健太くん「う~ん・・・なんだ???ナイロンラインだなぁ・・・これかなぁ・・・」と見せてくれたのがこれ!
- さすがプロフェッショナル…一発で探し当ててくれました。
- 4号50m?短くね?と思ったらカレイ釣りのハリスに使うラインなんだそうです。
- クレモナネットなら糸を括っていくだけなのでスイスイと簡単に進むのですがバイアステープで端末処理しているのでめっちゃ大変です。
- ナイロンラインをフレームの穴に入れた後、細目の縫い針にラインを通し、バイアステープを括ってから針を外しフレームの穴にまた戻す…
- ひたすらコレを繰り返します…めっちゃ面倒臭え🤣
- 何故こんな面倒なことになるかと言うとフレームの止め穴が1mmなので細い針でもかなり窮屈でバイアステープを括る時は針で括った方が楽なんです。
- というわけでもっと簡単なやり方があったらどなたか教えてほしいですね…
- よって…やたら時間がかかりましたがなんとか完成しました。
まとめ
- 雨はリリースネットを縫い合わせるために4本針のロックミシンを使っていますがこのミシン約30年前に買ったものなのですがめっちゃ活躍してます。
- ほぼ雨の専用器になってますねぇ…
- ロックミシンがなくても普通のミシンでも縫えると思いますがロックミシン最高ッス!
- 手縫いでも可能かとは思いますが相当な覚悟と時間が必要なのでできるだけミシン縫いする事をお勧めします。
- 洗濯ネットは無数の穴があり、ミシンの送り歯が噛まずスムーズ縫えなかったり絡んでしまう場合があるのですぐにストップできるように低速で縫っています。
- 今後、ランディングネットのリメイクやタモの交換などご要望があれば対応していこうと思いますのでもしもご要望やご質問がありましたらこちらへご連絡ください。
- InstagramをフォローしていただいてDMでもOKです。
- ただし、一概には全てに対応できるかどうかはタイミングや雨自身のキャパもありますので事前確認をお願いいたします。
- ここまで読んでいただきありがとうございました。
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