こんにちは!
ハンメイド工房虹雨(R&R)の雨です。
今回は、屈斜路湖畔にあるフライショップチニタの店主さんからランディングネットの修理依頼を受けました。
チニタのお客さんからの依頼というのが正解ですね・・・
それでは本題に入りますかぁ( ^ω^)・・・
修理可能なのか?
- とりあえず、修理できるかどうかわからないけどチニタへ行ってランディングネットを受け取ってきました。
- どんなお客さんなのか?ランディングネットのメーカーもよくわからん・・・この時点では・・・
- ランディングネットを受け取ってみると何とかなるかも知れないな・・・って感じです。
- グリップに接着されているフレーム材が完全に剥離しています。
- 多分、クレモナ糸を取り除けば完全に分離しそうです。
- これはオイルフィニッシュの欠点でもあると思いますが・・・基本的にランディングネットは水に濡れるのが前提なので何年も使っていると水分が浸透して接着部分が劣化し剥離が起こるんだと思います。あくまでも雨の想像ですが・・・
- だからと言ってウレタンがいいかというとこちらもデメリットがあって落下などの衝撃で傷がつくとそこから水が浸透して剥離や腐食に発展してしまうことがあります。
- よってオイルフィニッシュ派か・・・ウレタン派かは好みによると思います。
- 基本的に雨はウレタンでのコーティングに重点を置いていますが、この理由は大切に使えばウレタンコーティングの方が長持ちするような気がするのでそうしてます。
- ただ、ウレタン塗料も安物の塗料だと傷がつきやすかったり、黄ばみや剥離が早まるので使う塗料の質が重要だということが大前提です。
- クレモナ糸も破れていますね・・・クレモナネットの交換も依頼されました。
- クレモナネットは修理すればなんとかなりそうですが、同じカラーにするのが難しいのとクオリティを追求すると作り直しがいいと思います。
- 依頼を受けたランディングネットについていたクレモナネットは多分5号か6号のクレモナ糸を使っています。
- 雨が今現在所有している在庫のクレモナ糸はパープル?ワインレッド?に染色した4号のみなので依頼者さんに確認をとったところGOサインが出たのでこれで作業を進めたいと思います。
- コーティングもやはりオイルフィニッシュを希望されたのでワトコオイルを使って仕上げようと思います。
Casket conclusion?
- メーカー品に全くと言っていいほど興味のない雨にとっては、預かったランディングネットがどの程度の物なのかを判断するには自分の経験と見た感じ?それと手に持った時の感触で自分が作っているものと比べてどうなのかを観察しています。
- 雨が作っているランディングネットと比べて手に持った時の第一印象は「ちょっとだけ重い?」
- フレーム材が3枚重ねで内張がないため接着強度と水の浸透リスクがあるかなと思いましたが、フレーム材の一枚一枚が3mmほどあるのでかなりガッチリしている印象ですね!
- 老眼に鞭打ってグリップに書いてある文字を読み解くと、Conclusionと書いてあります。
- この預かったランディングネットはカスケットさんのコンクルージョンという商品でした。
- 検索してみると銘木を使ったランディングネットの在庫はなく、オークションで全く同じものが79,800円にて出品されていましたねぇ・・・
- 多分、新品での購入はかなり難しい希少価値の高い商品なんでしょうねぇ・・・
- ってか、ランディングネットを作ってるくせにそんなことも知らんのかい?って突っ込まれそうで、ちょっとビビッてます。
フレーム材とグリップ材の接着
- クレモナネットを取り外すとグリップ材とフレーム材は完全に剥離してグリップ材の先端が少しだけかけた状態で残っていました。
- 依頼者の方が一度ご自分で接着を試みたのか古い接着剤が凸凹になって残っていたので320番の耐水ペーパーで除去してから接着します。
- ガンガン削ってしまうと接着面が合わなくなって隙間ができやすいので慎重に削っていきます。
- 接着は60分硬化の2液性エポキシ接着剤を使います。
- 接着している画像を撮り忘れてました。
- 60分硬化と言っても60分で固まるわけではなく、60分後から固まり始めるイメージです。
リンク
- エポキシ接着剤を塗布後、クランプや紐、板ゴムなどを活用してい隙間ができないようにガッチリ締めあげます。
- 接着剤がはみ出てきたらウエス等である程度拭いておくと乾燥後の削り落とし作業が楽になります。
- 逆に接着剤がはみ出してこない場合は、締め上げが足りないか、接着剤の量が足りなくて隙間ができている可能性があるのでやり直した方がいい場合もあります。
- 固まった後で後悔しないようによく観察します。
- 24間以上乾燥させてから、余分な接着剤を削り落としながら、全体的に表面を整えていきます。
- 耐水ペーパー#320番で凸凹を削り、#400番、#600番、#800番と番手を上げながら整えました。
オイルフィニッシュ
- ハンドメイド工房虹雨では、これまでオイルフィニッシュのランディングネットを販売したことはないのですが、今後は検討していこうと思います。
- 改めてオイルフィニッシュをやってみるとオイルフィニッシュも中々面白くなってきた感じです。
- ランディングネットの購入を考えている方がウレタンコーティングとオイルフィニッシュの好きな方を選べるようにしたいですね!
- ハンドメイド工房虹雨で使っているオイルは定番のワトコオイルです。
- ワトコオイルについて知りたい方はこちら
リンク
- ワトコオイルの購入時に注意すべき点は、カラーの種類が8色あるのでナチュラル(クリアー)を選択します。
- ランディングネットの表面を整えて削りカスを拭き取ったら筆やウエスで塗り込んでいきます。
- 最初はオイルがすぅっと浸透していきます。
- 30分から1時間ほど放置して余分なオイルを拭き取り、#600番~#800番の耐水ペーパーなどで整えて拭き取り、半日ほど乾燥させます。
- 今回この作業を6回繰り返しました。
- 後半の2回はオイルを塗布した後すぐに#1000番と#1500番の耐水ペーパーで磨いたあとウエスで拭き取り半日乾燥後、柔らかいウエスで磨き上げました。
- もともとオイルフィニッシュをしてあるものなので3~4回ですでにオイルが浮いた状態になってきたのですが、念には念を入れて6回まで繰り返した感じです。
- 無垢の状態でも材料の表面がある程度整ってさえいれば、この作業を10回ほど繰り返せば完了できると思います。
- ワトコオイルは半日乾燥させて磨いていますが、完全に乾燥するには2~3日できれば1週間ほど置いた方がいいと思います。
- Conclusionのロゴを消さないようにかなり気を使いました。
- グリップ材とフレーム材の接着個所はどうしても段差ができてしまうのでロゴがなければもっとガシガシ削りたいのですがこのあたりで勘弁してもらうことにしました。
- 完全に割れて分離していた部分も何とか補修できました。
- 何年か経年すると、タモをとめるための穴や接着個所の隙間から入った水分によってオイル分や、接着剤を劣化させて剥離・腐食の原因になるので、とくにオイルフィニッシュのランディングネットは日々の手入れが重要だと思いました。
クレモナネットの交換
- 元々着いていたクレモナネットは5号か6号の太めなクレモナ糸を使っていたので乾燥した状態でも重いと感じたのはこのせいもあるのかなぁと思います。
- 雨が使っているクレモナ糸は4号なので若干細いですがランディングネットの大小区別なく使えると思います。
- フレームの穴数が42箇所あるので20目22段で作っていきます。
- 22目20段でもイイと思います。
- 編みはじめのアンカーループを作ります。
- 20目の編み目を作るにはアンカーループが21目必要で編み目はヒバリ結び(本目結び)です。
- 駒は50mm幅の定規をつかいます。
- いよいよ本編みに入ります。
- 20目11段があみあがりました。
- 編み方の動画もアップした方がわかりやすいかなぁと思いますがついついサボってしまいます。
- 11段編み終わったもう片方の網針でもう11段編みます。
- もう片方の11段が編み上がると20目22段になれば底辺が完成です。
- 次は立ち上がり部分を編みますが四つ角に三角目を作り8段編み上げれば完成です。
- 編み目をふたつずつ括ってダブルループを作ると42目になります。
- 元々付いていたクレモナネットは浅めだったので若干深くして70upのマスにも余裕で対応できるものになったと思います。
補修完了!
- フレームにクレモナネットを取り付けて完成ですが、ネットリリーサーもカサカサになっていたのでニートフットオイルを擦り込んで真鍮製の金具もコンパウンドで磨きました。
- これで完成ですね!
- お疲れ様でした!
まとめ
- ランディングネットのオイルフィニッシュを久しぶりにやってみたけどなかなか面白いです🤣
- ウレタン塗装とオイルフィニッシュを比べたら仕上がりの好みで受け取り方が違うので同じ形のランディングネットを複数作って比較検討できるようにすれば良いかなぁと思案中です。
- 最近忙しくて新作に着手できていませんが頑張って作りたいですね!
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